妊娠に関する情報やマメ知識など・・・妊婦さんに安心をお届けします!
子どもがアレルギーになると、食べるものが制限されたり、皮膚が荒れたりして大変だから、できればアレルギーにならないようにしてあげたいと願うのは、親心としてあたり前のことです。
妊婦さんの中には、赤ちゃんがアレルギーにならないようにと、妊娠中に卵や牛乳を摂らないようにしている人がいますが、残念ながら、ママが食べ物をひかえても、赤ちゃんのアレルギーを予防できるということはありません。
現在、妊娠中に赤ちゃんのアレルギーの予防に効果があるとわかっているのは、受動喫煙を含めた禁煙のみです。
アレルギー体質を持つ両親から生まれた赤ちゃんの中で、ママが喫煙(受動喫煙を含む)した場合、子どもが10歳になったときに、喘息やアレルギーを発症するリスクが高くなるというデータがあります。
タバコは血の巡りを悪くし、赤ちゃんの発育に影響する可能性があるのはもちろん、早産を招いたり、低体重児になる可能性を高めます。
食べ物の話に戻りますが、妊娠中にママが特定の食べ物の摂取を避けることで、赤ちゃんがアレルギーになることを予防することができるという研究結果はほぼありません。
この試みは古くからされており、日本でも予防効果を期待して1980年代後半から1990年代には、妊娠が分かった時点で、妊婦さんの食事は卵、牛乳を制限するようにと指導していました。今はそのような指導をしているところは無いと思いますが、こうした制限による効果が見られたという結果はひとつもなく、予防する意味は無いという結論に達しています。
それよりも、妊娠中には、特定の食品を摂りすぎたり、逆に摂らないなど偏食をすることなくバランスの良い食事を摂ることが大切です。
不正な情報に惑わされて自己流の食事制限をすることは、栄養のバランスを崩し、お腹の赤ちゃんの発育に影響を及ぼす心配が出てきます。
赤ちゃんのアレルギーを予防してあげたい気持ちもわかりますが、そのために手軽にカルシウムやタンパク質を摂取できる優秀な食品である牛乳や卵を摂取しないデメリットのほうが大きいといえます